長時間労働を抑制するとともに、労働者の健康確保とワークライフバランス(仕事と生活の調和)が取れた社会を実現することを目的に、4月1日に改正労働基準法が施行されました。
そこで、今回施行された新しい労働基準のポイントをまとめてみます。
新しい労働基準法では、残業代の計算に対する規定が大きく変わったので要注意です。
改正前は、時間外労働に対する賃金報酬の割増率は、時間数にかかわらず一律25%でしたが、改正後は、60時間を超えた分については50%に引き上げられます。
(なお、休日労働や深夜労働については従来どおりであり、それぞれ35%、25%の割増率のまま変更されません。)
また、残業代の一部を有給休暇として取得できる制度も新たに設けられます(ただ、当面は一定の従業員、資本金規模の企業に勤める従業員のみに適用されます。中小企業に関しては、現状は猶予期間とされ、3年後に改めて導入が再検討されることになっています。)。
さらに、代替休暇制度は、従業員規模にかかわらず適用されます。改正前は、日単位で取得しなければならない年次有給休暇を、事業所において労使協定が締結されることを条件に、1年に5日分を限度として時間単位で取得できるようになるのです。
これまで、まとまった休暇が取りにくく、有給休暇を消化できなかった労働者にとっては、より柔軟な休暇の取り方が可能となります。
その他、改正法では、すべての企業に対して、時間外労働の限度基準である1カ月45時間を超えた残業代の割増賃金率を25%以上にすること、および、月45時間以上の時間外労働を極力短縮することについての努力義務が課せられます。
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